笛吹きもぐらのあなぐら歳時記

慢性疲労症候群の俳句日記

季語:冬の港

冬の港 光の航路 船ゆけよ

 

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 夕暮れ時に神戸大橋を訪れた。雲の少ない冬空から、波紋のゆれる海面に光がさしている。その海面に落ちた日の影が、どこか遠い場所に通じる道のように見える。
 その道を、船がななめに横切っていった。船は、己の航路に従って、港のむこうへ消えていく。光の道のまぶしさに目を細める僕には、港の風景は影絵のように黒い。そんな方へ行かなくても、もっと明るい場所があるのに、と思う。しかし、船には船の都合があるし、ひょっとしたら船の方からは、日の影は僕が見るのとは違うように見えているのかも知れない。