笛吹きもぐらのあなぐら歳時記

慢性疲労症候群の俳句日記

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

季語:冬の港

冬の港 光の航路 船ゆけよ 夕暮れ時に神戸大橋を訪れた。雲の少ない冬空から、波紋のゆれる海面に光がさしている。その海面に落ちた日の影が、どこか遠い場所に通じる道のように見える。 その道を、船がななめに横切っていった。船は、己の航路に従って、港…

季語:凍空

何もない凍空に月 神戸の冬といえば、六甲颪。この風が吹くと、何もかも吹き払われて、空は素っ裸になる。透明な天球を見上げるのは気持ちがいい。暖房の温気で濁った意識が、冴えかえっていくよう。 凍えている月を桜の枯れ枝がつかもうとしている。しかし…

季語:凍てる

ねこやなぎ凍てる 近所の公園に猫柳の木がある。 温暖化の影響なのか、寒のうちだというのにもう穂がついている。近頃の冬は僕がこどもの頃に比べるとあたたかいが、それでも寒波のきた日にはダウンコートを着ていても凍えるほど冷え込む。猫柳は、六甲颪に…

季語:寒の雨

寒の雨わたしにも降るが 去年の春から全身の怠さがぬけず、医者には「慢性疲労症候群」と言われた。漢方薬を飲むようになってかなり調子はよくなったが、それでも体調には波があって、僕の体は楽な時もあれば苦しい時もある。 昨年の年末あたりは割合と元気…

季語:寒菊

寒菊や病にたえてアルペジオ 先の春に体調をくずした。全身が怠く、体重は10kgもおちて、生活するだけで精一杯という状況に陥った。 その不調が、なかなか改善しない。医者にかかってあれこれ調べてもらったのだけど、どれだけ調べてもこれだと言い切れる原…

季語:賀状

賀状出しにポストへ走る 自分から年賀状を出すことをやめて、もう何年にもなる。 それまでは毎年、年の瀬になると出来合いの賀状を買って出していたけど、年賀状を送る相手とはほとんどSNSでつながっていることに気づいて、紙の無駄遣いをやめた。ただ、こち…